電動カナードグライダー

スパン 1750mm
全長 560mm
重量 480g
主翼面積 21dm
カナード翼面責 3.6dm
モーター スピード400
パッテリー 8.4v500mAh
プロペラ 11x8(ギアダウン)

もう一つの理想形
カナード機、又はエンテ型、先尾翼機と呼ばれる機体、このタイプの機体は形が変なだけではなく、大きな可能性を持った機体です。
一般的な飛行機とカナード機の違い
一般的な飛行機は主翼で機体を支え、尾翼でマイナス揚力を出してバランスを取ります、尾翼は重量を増加させた上にマイナス揚力まで発生して機体の性能を落とします。
カナード機は主翼で機体を支え、カナードもプラス揚力を出してバランスを取ります、カナード翼は主翼と協力して機体が浮くのを助けます。
では何故通常の機体は尾翼をプラス揚力にしないのでしょう?翼は翼弦長が短いほど失速し易くなります。通常尾翼の方が翼弦が短いので失速し易いことになります、普通に尾翼が後ろにある機体で、尾翼がプラス揚力を出してバランスを取っていると、機体が失速に入りそうなときに尾翼が先に失速し尾翼の揚力が失われ、機体は機種上げ状態になり、余計に速度を落とし、完全に失速してしまいます。一方カナードタイプではカナードの失速→機首下げとなり、速度を回復します。
通常タイプの機体で高性能を目指すときは、重心位置をなるべく後ろにすることにより、尾翼の-揚力をなるべく減らすようにしますが、後ろにしすぎると、コントロールが非常に難しくなります。
カナード機の場合、カナードはプラス揚力を出していますが、小さなカナード翼で大きな揚力を出すと抵抗が大きくなるので、在る程度重心を後ろにしますが、コントロールが困難になるほど後ろにする必要はないので、シビアに調整した場合は操縦が楽です。
自作カナード機のコンセプト
サーマールソアリングが楽しめること、パワーユニットはスピード400&8.4V600mAh、通常の機体よりも性能がよいこと。
設計
とりあえずインターネットを回ってカナード機の資料調べを・・・あまり無いんです・・・結局バートルタンのイージーシリーズぐらいしか発見できず、写真を色々見て構想を練ります。別にスケール機を作るつもりはないんですけどね。バートルタンがイージーシリーズを作ったときの構想図にロングスパンのグライダータイプが出ていました、目標はイージーシリーズグライダータイプ“風”。グライダーらしいスラリとのびた主翼にしたくて、アスペクトレシオ15の細い翼に、主翼の15%程度の小さなカナード、後退角は無尾翼機ではないので少な目の12°翼端に垂直尾翼を付けて、イージーシリーズの香りが少しする機体にしました。
主翼
このクラスの機体は翼面積を25dm程度取るのですが、この機体は21dmと小さめです。カナード翼の3.6dmをブラスして24.6dmとみなしこの翼面積にしました。スパン1750mm面積21dm上半角無し、翼型はハンドランチグライダーに使って調子が良かったMA409、構造はいつものスチロールコアにバルサブランク(上下1mm)ミラクルフィルム張り、エルロンはフィルム張り後に切り取っています。
胴体
チョットだけイージーシリーズ風ですが実機に比べるとかなり細いです。バルサ組みの中翼形状、構造は一番的な物で、キャノピー部分もバルサです。ミラクルフィルム張り
機体の前から、エレベーターサーボ→受信機(標準サイズを縦に)→バッテリー(主翼下の前半)→エルロンサーボ(主翼に取り付け)→モーターコントロールアンプ(主翼上の後半)→モーター&ペラの順番に搭載。モーターのスラストライン上にカナード&主翼がほぼ並んでいます。主翼の取り付け角は1°カナードの取り付け角は3°(初期は2°)、内容物ぎりぎりのスリムな胴体です。
カナード翼
4mmバルサから削りだし、翼型はクラークY系(5%)上半角無しで、450mmx80mmで3.6dm、実機のイージーシリーズはもっとカナードが小さいようですが、模型としては小さめだと思います。
垂直尾翼(ウイングレット)
バルサの単板1.5mmミラクルフィルム張り取り付け角は無しです。
重心位置
この手の機体の重心位置を決めるのは非常に難しいのですが、とりあえず主翼の平均翼弦の30%の位置とカナードの平均翼弦の30%位置を出し、主翼面積:カナード面積が85:15なのでそれぞれの85:15の位置にします。主翼、カナード翼、メカ類を板の上に並べ、メカ類のレイアウトで重心を決めてから胴体形状を決めているので、完成時は、ほぼ重心位置は合いました。
飛行前のテスト
飛行前に左手にプロポ、右手は機体の重心位置を持って、走ってみます、このクラスの機体ではこれでだいたい重心が合っているか解ります、少し風があると楽ですね。この時エレベーターを操作してみて、きちんとエレベーターが効くくかどうか確認します。機体が浮く感じがした上で安定していて、エレベーターが効けば、ほぼそのまま投げても大丈夫です。
初飛行
当日は風速3mほど、普通なら問題ない風ですが、初飛行は無風がよいなぁ・・・晴れていて視界は良好でした
いよいよ初飛行です、初飛行時はおそるおそる投げがちですが、手投げで在る程度の高度を取った方が何かあったときに対処しやすいので思い切り投げます。ショックを吸収する草の上とかあらかじめ高度がとれる土手の上から投げるのも良いと思います。
エイやっ!と投げました。いきなりガクン!と頭を下げます!すかさずエレベーターアップ!高度30cmで持ち直して高度が1mまで回復したところでバワーオン!とりあえず上空に上げてしまいます。かなりスティクでアップを引いて飛んでいます、トリムを・・・と思ってスティクから指を離すとガク!と下を向くので、右手でトリムをフルアップにしますが、それでもスティクでアップ気味です。進路がだんだん右にズレていって、自然に旋回に入ったので、そのまま旋回させます、追い風になって、対空速度が落ちたときに舵に対してなんの反応もなくなる・・・(ノーコンではない)ヒエ〜恐!機体が風上を向いたところで、コントロールを回復、ダウン!ダウン!まず速度を回復させます。一度モーターを止め、機体の姿勢を観察します。胴体は、ほぼ水平?ですが、飛んでいる機体の舵面を見て解るほどアップトリムです、ふらふらと左右に翼を振り、不安定です、30%のフルスパンエルロンなのですがあまり舵が効きません。アドバーズドヨー?エルロンリバーサル?翼の剛性が不足しているようで、翼がぐらぐらしなるのが見えます。何とか飛行場内に納めている感じで、“コントロールしてい る”感は有りません。機体の姿勢は非常に解りづらく、全翼機よりも解りづらいぐらいです。錯覚で、‘前進翼の通常タイプグライダー’に見えることがあり、その後姿勢が解らなくなります。初飛行は姿勢が解らなくなった後、スピンに入り回復できず墜落させてしまいました。スピンの仕方もふわふわと時にはバックする感じで、全くコントロールが効きませんでした。
修理&改造
墜落後、胴体はカナードの後ろ、主翼の前、モーターの前、の3ケ所で折れてバラバラ・・・幸い綺麗にポッキリいっているので、瞬間接着剤のみで直せました、主翼は一見無傷でしたが、ダメージか残っていたらしく、修理後の飛行で“バンザイ”してしまい、修理をかねてかなり補強しました。
初飛行をふまえた改造点は、重心位置を前に、カナード翼の取り付け角増し、翼端の垂直尾翼を後ろに移動、等です。スピンに入ったときの状況からいって重心位置が後ろ過ぎるのは明らかで、しかも主翼とカナードが同時に失速しているようなので、カナードの取り付け角を増やし、ふらふら飛ぶ事と、エルロンの逆ぎき対策のため、ヨー軸方向の安定を増やすための対策をしました。
2回目の飛行
当日の天気は無風、曇り空、飛行機日和でした。
早速飛行させます、相変わらずトリムはアップです・・・スピンの前兆を感じることがあるのでもう少し重心を前にしたいのだが・・・カナードの取り付け角をさらに増やす必要があるようです。エルロンの効きは相変わらず鈍いながらながら、まあ、コントロールできるようになりました、翼の強度を試すためダイブさせてスピードを付けたときに、かなり早いスピード飛ばすと、グライドが延びることを発見!どうやら、この機体にとって丁度良いスピードは思っていたより早いようで、そのスピードで飛ばすと、舵もきちんと効きました。旋回半径がだんだん小さくなって行く傾向があり、旋回の抜けでかなり長い間逆舵を打つ必要があるので、まだサーマルを追いかけられる感じではありませんし、離着陸のことも考えなければいけないので、操縦性の改善はやはり必要ですが、なかなか良い飛びでした。この日はバッテリー3パックほど飛ばし機体を無傷で持ち帰りました。
又改造
カナードの取り付け角を少し増やし、翼端坂に上半角を付けました。
カナードはトリムで調整していた分の角度増しです。翼端坂は垂直に立っていたのですが、旋回で巻き込んで行くのを改善するため45°の上開きにし、上半角効果を狙いました。
3回目の飛行
当日の天気は風速3メートル、快晴、風強いです、前回が良い飛びだったので、今考えると私、少し調子に乗っていました。
バッテリーを充電し飛行させます、今回は時間も計っていました。飛行速度が速いので、十分に風上に向かいます。エレベータートリムはやっと合い、翼端坂の改造の効果は感じられませんでしたが我慢できる範囲でした。上空では、旋回で風下に向けるときに、ひやひやしますが何とか飛んでいます。スピンに入っても、エレベーターフルアップ(カナードの失速)で抜けられることをが解り、面白い機体だナーと飛行を楽しんでいました。サーマルを探りながら、かなりの時間飛ばし、バッテリーのパワーが落ちてきましたが、時間計っているので、もう一度上空へ・・・着陸進入で風下に一度ふり、最終旋回をしていたそのとき、高度15mでスピンに入ってしまいました、エレベーター操作で何とかスピンから抜けたものの、そのまま高さ2mは有ろうかというススキの中へ・・・もちろん回収に行きましたが結局発見できませんでした。まあよくある話ですが、かなりショックです。
機体の全体的な改良も考えていたので、又挑戦したいと思います。