What's Recumbent

リカンベント(Recumbent)とは、
背もたれの付いた椅子の座り、足を前に投げ出して乗るタイプの自転車のことです。
Recumbentu写真は二輪タイプですが3輪のタイプもあります。
まだまだマイナーな存在で、町中で見かけることもほとんどありませんが、変わり種自転車にとどまらない魅力を秘めた未来の自転車です。
地上の人力スピード記録はこのタイプの自転車が持っていたり、その高性能から自転車競技の世界では使用禁止されていたりしますけど、レースする為だけに自転車に乗るわけではないでしょう?
椅子の腰掛けたリラックスした姿勢など。一度乗ってみると
「何故自転車はみんなこの形じゃないんだろう?」
と思うほど、一度みんなに乗って見て欲しい!そんなリカンベントの魅力を紹介したいと思います。
リカンベントのメリット
1、少ない空気抵抗。
2、リラックスしたフォーム。
3、効率的なペダリング。
4、走行時の視界の広さ。
スピードを出すのを邪魔する物。
自転車の動力は人間です、人間のバワーは鍛え方のよりますが、0.5PS程度と言われています、原付スクーターが4〜7.2PS程度のパワーを持つことを考えると、とても小さなパワーです。小さなパワーでスピードを出すには抵抗を減らすしかありません。自転車がスピードを出すのを邪魔する物、それは転がり抵抗と空気抵抗です。転がり抵抗には2種類あり、タイヤの転がり抵抗と、各部の軸受けの抵抗です。タイヤの転がり抵抗は、パンパンに空気を入れた高圧タイヤ(乗り心地悪し)で、軸受けの抵抗は良質なベアリングで、それぞれ減らすことが出来ますが、転がり抵抗は全体の抵抗の内、10%に満たないと言われています。
1、少ない空気抵抗
自転車の抵抗の大部分をしめる物・・・それは空気抵抗です。空気抵抗には2種類有り、車体の空気抵抗と人間の空気抵抗。車体の空気抵抗は、たとえばディスクホイールや、4:1に整形されたスポーク・・・ホイールリム、スローピングフレームなどなど、色々な製品が世に出ていますが、実は自転車そのものの空気抵抗は全体の20%にもなりません。一番抵抗が大きい物それは人間です。空気抵抗は「形状の空気抵抗計数(Cd値)X前面投影面積」なので、自転車のパーツ等は形状を工夫することでCd値を減らしています。しかし人間はそうは行きません。そこで前面投影面積を減らす為に、ロードバイクなどは深いクラウチングフォームを取ります。
ロードサイクル前からリカンベント前からロードサイクル横からリカンベント横から写真のフォームでも背中が水平になるほど前傾姿勢をとっていますが、リカンベントの写真と比較するとかなり前面投影面積が大きいのが解ると思います。(同じ距離から撮った写真です)又Cd値の面でも、一般的な自転車は、おなかの部分にパラシュートのように空気がたまり抵抗になりますが、リカンベントでは後ろに空気が流れて行きますので、抵抗は少なくなります。スピードを出した時や、風が強い日にはその違いが誰にでもはっきりと解ると思います。
2、リラックスした姿勢
写真を比較してみて下さい、どちらが楽そうですか?ロードサイクルを写真のようなフォームで乗り続けることは、かなり乗り慣れないと無理ですよね。リカンベントはラクチンです。腰が悪くて通常の自転車が乗れない人でも乗れると言う使われ方もしているようです。
3、効率的なペダリング
通常タイプの自転車ではペダルを踏み込んだときに体が浮いてしまいますが、リカンベントでは背もたれにホールドされるので効率的にペダリングすることが出来ます。
4、走行時の視界の広さ
前のめりになって乗る通常タイプ自転車では、視界は縦に広い視界になり、また前を見るために頭を上げておくのが大変です。ゆったりと座ったリカンベントでは、車を運転する時のように、横に広い視界となります。どちらが安全かは、言うまでもありませんね。視線の高さは、三輪式の物やロングホイールベースタイプではかなり低くなりますが、写真のタイプでは、低くクラチングフォームを取った自転車とほぼ同じです、リカンベントは伸び上がって前を見ることが出来ないので、車の向こうを見る時にみずらかったり、ノーズが長いので、狭い路地から出るときに多少やりにくいですが、危険性の高い、高速走行時に広い視界を持って走ることが出来る方がメリットが大きいと思います。
リカンベントのデメリット
1、車からの視認性が悪い(と言われていますが・・・)
2、車体が大きくなりがちなので重い
3、立ちこぎが出来ないので、上り坂が苦手
1、車からの視認性が悪い
車からの視認性が悪いと言われていますが、小さな子供が乗った自転車や三輪車とどっちがみずらいでしょう?むしろ「なんじゃありゃ?」と視線は釘ずけ・・・この件に関しては全く問題ないと思います。
2、車体が大きくなりがちなので重い
多少は重くなりますね、写真のリカンベントで12kgほど有ります。3、と相まって上り坂は苦手?
3、立ちこぎが出来ないので上り坂が苦手
立ちこぎで左右に体重を駆けていればよい通常タイプの自転車はその軽量さと相まって上り坂は早いですね。リカンベントではギヤ比をワイドレジンにして回転で上って行けば、上れない坂はありません。

Recumbentuリカンベントに乗ってみる。
「乗りにくいんじゃないの」「私には乗れない・・・」そんなことはありません、誰でも乗れます。多少コツはありますけど、走り出しで足で地面を蹴って走り出すと良いです。その後ペダルに足を・・・信号で止まるときも歩道のスロープになっている所の上に止まったりすると楽です。トライアルのように止まったりするのは苦手ですけど、普通そんなことしないでしょう?普通にとろとろ走って、車の間をすり抜け・・・なんの問題もありません。ロングホイールベースの物や三輪タイプは普通の自転車と比べたら取り回し悪いですけど、オートバイに比べたら、楽々です、私も日常的に使っています。早いので行動半径が広がりますよ。
コーナリングコーナリング1コーナリング2
リカンベントのコーナリングは実はかなり良いです。
低い視線から来る安心感と、腰をきちんとホールドされた安定性から、ゴーカート感覚でコーナリングできます、又ペダルが地面に接触する事がないので、常にこぎながら、いわゆる“トラクション”を駆けながらコーナリングできるので、車体が本当に安定するのです。この車体の場合は、重心位置が適度に後ろよりに出来ているので、限界を超えるとリヤタイヤからブレイクし始め、姿勢の変化を読みやすいので、“いきなりフロントタイヤが滑るかもしれないっ”恐怖感もありません。この感覚を一度は味わってみて欲しい。
又、万が一(やってみてないけれど)転んだとしても、元々地面に近い低い位置にいるのでスライディングするように衝撃を吸収し大怪我はしにくいと思われます。
ブレーキング
もの凄い良く効きます。重心が低いのでブレーキング時に前のめりにならないこと、ブレーキングの“G”を足で受け止められること。ブレーキング中の安定感が高いのです。
何故世の中の自転車がすべてリカンベントにならないんだろう?
走る、曲がる、止まる。すべてに優れたこの乗り物が何故自転車の標準形にならないのだろう?最近本気でそう思います。ダルマ型クラッシック自転車が、“セーフティ型”トライアングルフレームに進化たように。
あ、スカートで乗れないか・・・

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